休憩室
姉は一つの食べ物が気に入ると何週間か、長い時は何ヶ月も同じ物を食べ続ける。
もう10年ほど前になるが直ぐ上の姉(三女 以下:M姉とする)が入院していた時、私と姉と二女である姉と3人で見舞いに行ったことがあった。
私は、このM姉と一番仲が良かった。
膀胱癌だった。
一応手術はしたものの、安心出来ない状況だった。
病室に入って行くと、私の後ろに更に二人の姉の姿があるのに気づいて、M姉は驚き、そして喜んだ。
元々、小柄で今度の病気で、更に小さくなったように見えるM姉は、急に元気になったかのように起き上がるとベッドから降りようとした。
休憩室に行こうと言う。
私達は
“ここでいいよ、寝てて!” と皆んなで言って止めたが、M姉は頑として聞かず、結局、移動することになった。
休憩室には円形の大きめのテーブルがあって、私達はそこの椅子に腰掛けた。
和菓子を持ってきていたので取り出し、そこに設置してある自販機でお茶を買った。
こんな風に四姉妹が揃って顔を合わせるのは数十年ぶりだった。
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