帰路
休憩室で過ごしたのは30分もなかったが
帰る時にまた、M姉がどうしても病院の玄関まで見送ると言うので一緒にエレベーターで下まで降りた。
そしてその後、私達が駐車場まで歩いて行く間も
M姉は直ぐには病室に戻らなかったように見えた。
その帰り道は、今別れたばかりのM姉の病状を皆でポツポツ話すだけだった。
私も沈んだ気分のまま運転していた。
しかし、あるチェーン店の前を通りかかると突然姉が、そこの店のフライドポテトを買いたいと言った。
助手席に座っていた姉は、私が聞いていないと思ったのか
再度、今度は大きな声で
“ここで買うから!“ と言いながらドライブスルーの入り口に向かうように私に言った。
私は言われた通り、その方向へ車を切りかえた。
姉は、L サイズのポテトを2袋買った。
そして家に着く前に車内でそれを全部食べてしまった。(揚げたてが美味しいのはわかるが) 飲み物もなしで2袋も… L サイズ…
姉の偏食ぶりはよく知っているので、今はフライドポテトなんだと思ったが、やはり驚いた。
その時、後部座席にいた二女である姉が、
“ 窓を開けてー ” と叫んだので振り返ると青い顔をしている。
車内に充満したポテトの臭いで気分が悪くなったようだった。
そしてとにかく一度車から降りたいと言うので、近くのコンビニの駐車場に車を停めた。
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